日本では3月末を決算日としている会社が多く、税務申告期限は5月末までとなっているため、決算業務については多くの3月決算会社においては終了となっていることかと思います。
事業年度としては4月1日から新しくなってはいるものの、これから6月末にかけて株主総会が開かれ、そのなかでは経営体制の変更なども含めて多くの会社で新しい変化が生じることになります。
監査の観点でいえば、特に上場企業では会計監査人の交代が最近では当たり前のように行われるようになりました。
交代理由として継続関与年数や新しい視点での監査を受けることなどの文言も多く見受けられますが、私の経験からはこのような内容は表向きであり、裏側としては監査報酬の増加にこたえられない会社、リスクの高い会社、監査人と会計処理でもめたような会社も中には含まれていることもあるので、投資家の目線としても監査人の交代の有無は気にしておくべき事項だと思います。
また、税務の観点でも報酬や業務の質という観点から顧問先を見直すということが行われる時期かと思います。
監査であれ税務であれ、個人的な見解としては会計監査人や顧問税理士を報酬だけの観点から選ぶことについては慎重になるべきだと考えています。
会社自身が財務報告に関するガバナンスを構築するのがあるべき姿ではありますが、足りていない部分を会計監査人や顧問税理士が補っているというのが現実です。
足元で問題が生じていない会社であっても、報酬の低い会計監査人や顧問税理士と契約すること自体が会社のガバナンスの低下を招く恐れがあることも理解しておくことは重要だと思います。
話は少しそれますが、昨今は株式市場の低迷や物価上昇など経済面でもいいニュースがなく、安全保障環境においてもロシア・ウクライナの戦争の長期などもあり、日本の先行きも非常に不透明な状況です。
簡単に解決するのは難しい問題でも、何もしなければ自体は改善せず、世の中の一人一人ができる範囲で少しでも前向きに行動していくことがやはり大切かと思います。
そういった意味でも私もこの6月を新しいスタートとして仕事もプライベートにおいても新しい取り組みを心がけて過ごして行きたいです。